何故アキレス腱断裂は手術しなくても治るのか?原先生のブログ

アキレス腱断裂歩行療法のなぜ?

を原先生の説明で解説していきます。

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今回のテーマは

1)なぜ手術しなくてもアキレス腱は着くの?

自然治癒力=再生力

 

からだは自ら治す力を持っています。この生体の力を「自然治癒力」と言います。カニは腕が抜けても再生し、また生えてきます。これが自然治癒力です。人間はこれほど強力な力ではありませんが自然治癒力があります。小児の骨折が曲がってくっ付いても、出っ張った側は削られ、凹んだ側は付け加えられて(添削されて)元通りになります(関節周辺の骨折は違いますが)。

 

どんな治療をしてもこの力がなければ病気は治りません。細菌感染した時に抗生物質を投与してもこの力がなければ治りません。ご高齢の方や体力低下の方など病気への抵抗力の弱くなった(自然治癒力の低下した)方に薬を投与しても治りにくいのはこのためです。

 

手術と自然治癒力

 

皮膚が大きく切れたら縫い合わせるのは傷の範囲が小さいほうが、治りが良いので傷口を寄せるためです。その傷を治すのは皮膚を再生する力、自然治癒力です。

 

骨折して手術するのは、骨がずれて曲がって癒合してしまわないようにするためで、これを内固定と言います。手術しない保存療法ではギプスを巻いたり、シーネ、副子(添え木)を当てて骨を正しい位置に保つために固定します。これを外固定といいます。固定しておいて骨が自然治癒力でくっつけてくれるのを待つわけです。

 

腱の断裂も同じですが、ほとんどの腱の完全断裂は手術が必要です。これは腱が切れると腱の断端が離れてしまうので癒合しないからです。そこで手術して離れた腱を引き寄せ縫い合わせるのです。でもこの腱をくっつけるのは自然治癒力なのです。

 

(図:『図説スポーツ障害』同朋舎刊)

アキレス腱断裂が手術しなくても治る理由

 

ではなぜアキレス腱断裂は手術しないでも大丈夫なんでしょうか。アキレス腱が切れた直後、断端は1~2横指(=指を並べた幅を横指「おうし」という)離れてしまいます。踵についている切れた下部の腱は少し緩んで短めになり、ふくらはぎの筋肉につながっている切れた上部の腱は、ふくらはぎの筋肉の収縮で上に引っ張られます。2~3日ほど経つと、ふくらはぎの筋肉が緩んで断裂直後より断端は近づいてきますがまだ離れた状態です。保存歩行療法ではこの間隙をより近づけるために固定を工夫していますが、それでもこの離れた状態が接するほど近づくわけではありません。残された空間は自然治癒力で埋められてアキレス腱は再生します。

 

離れた状態で空間を埋めたら腱が長くなってしまうと思うでしょうが、長くなりません。それは体の持っているDNAが元通りの長さに治すようプログラムされているからです。もちろん、足先を上げた状態でアキレス腱の断端が離れるように矯正して固定されていたり、アキレス腱断裂を知らずに治療しないで歩いていたりすれば伸びてしまうかもしれませんが。

 

アキレス腱断裂は治りやすいケガ

 

アキレス腱断裂は現在、世界中の医学者、医療者が思っているほど着きの悪い、治りの悪いケガではなく、適切な治療をすれば速やかに治るケガなのです。

 

 

最後に当院の歩行療法で治療された患者様の断裂から1ヶ月後の歩行の様子。手術なし、松葉杖なしで、たったの1ヶ月でアキレス腱は綺麗にくっつきます👇

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